思想としての育児 知識と身体の歴史哲学

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■推薦■
専門知と民衆知の接点、中国医学から西洋医学への移行。江戸時代の育児書がこんなに面白いことに驚かされる。
同時に、知の在りかを探る哲学者のまなざしによって、私たちの「身体」「精神」「自然」の観念が揺さぶられる。
--野矢茂樹さん(哲学者)




現在、当たり前になっている条件がまだなかった時代、子どもを身ごもり、産み、育てるということは、どのように行われていたのか、
当時の人たちはどんなふうに感じ、何を考えていたのか。子どもはどのように扱われ、どんな病気にかかったのか。親たちはなにを喜び、恐れたのか。

自分が今生きる社会と歴史を理解するには、自らの現在と過去に問いかける必要がある。
だから本書では、江戸時代までさかのぼって、日本における育児の歴史、その背後にある思想を探っていく。

そのさい、とくに近代以前と以後の変化に注意を向けるとしよう。なぜなら、よく言われるように、近代化こそが現在の私たちの生活と思考の土台を作ったからである。この点は、育児についても当てはまる。それ以前はまったく異なる世界が広がっており、それと比較することで、今日の私たちの生が依って立つ根拠を明らかにすることができるだろう。
(「序」より)
  • 梶谷 真司(かじたに しんじ)(著者)
  • 価格(税込)
    3,300円
    体裁
    四六判上製 352頁
    ISBN
    978-4-86624-129-6
    発刊日
    2026/03/09

    目次


    第一章 思想が展開する場としての育児
    第二章 子どもの価値の転換史
    第三章 著者の違いと内容の多様性
    第四章 知識を生み出す原理としての社会階層
    第五章 知の媒介者の存在意義と創造性
    第六章 健康と病いをめぐる東洋的人間観
    第七章 育児書における西洋医学の影響と近代化
    第八章 母乳の自然性とその歴史的変遷
    終章 知識と主体はどのように関わり合うのか
    あとがき
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    著者紹介

    梶谷 真司(かじたに しんじ)
    東京大学大学院総合文化研究科教授。
    京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。
    専門は哲学、医療史、比較文化。
    著書に『シュミッツ現象学の根本問題――身体と感情からの思索』(京都大学学術出版会、2002年)、『考えるとはどういうことか――0歳から100歳までの哲学入門』(幻冬舎、2018年)、『書くとはどういうことか――人生を変える文章教室』(飛鳥新社、2022年)、『問うとはどういうことか――人間的に生きるための思考のレッスン』(大和書房、2023年)、『哲学対話の冒険日記――われら思う、ゆえにわれらあり』(あいり出版、2023年)などがある。
    近年は、哲学対話を通して、学校や企業、地域コミュニティなどで、「共に考える場」を作る活動を行い、そこからいろんな人が共同で思考を作り上げていく「共創哲学(inclusive philosophy)」という新しいジャンルを開拓している。

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